岡 博美|Hiromi Oka
ある日の思考
自分の内に点在し漂ったり忘れたりしているさまざまな事柄が、何かをきっかけに一瞬に繋がって一つの形になる時がある。ひとつひとつは、繋がりが無いように思えることが、新たな形をつくるのは、面白い一瞬でもある。
素 材:絹布、天然染料(柘榴、槐樹、茜、ラック、黄金花、本藍)
サイズ:H2.9m × W5.2m
形 式:型染め
設置年:2022年
設置場所:4号館1F
響、巡る想い、歌(設置作品向かって右から)
自分の内に点在し漂ったり忘れたりしているさまざまな事柄が、何かをきっかけに一瞬に繋がって一つの形になる時がある。ひとつひとつは、繋がりが無いように思えることが、新たな形をつくるのは、面白い一瞬でもある。
素 材:和紙、墨、カラーインク、糊染
サイズ:3点すべてH1,250mm × W500mm
形 式:絵画
設置年:2022年
設置場所:4号館1F
略 歴:
1976年 三重県生まれ
2004年 京都造形芸術大学大学院芸術表現専攻修了
2003年 染色工房「kokyuu」設立
鈴村 敦夫|Atsuo Suzumura
Sustainability
壁画の歴史は非常に古く、人類の歴史とともにあると言っても過言ではない。堅牢な素材である石・ガラス・陶片を組み合わせてつくられるモザイク壁画は、建造物と一体化し都市空間の中で時代を越え、時間軸が加わることで次元を超えた存在となる。人々の生活に寄り添いながら歴史を刻み、悠然と構えるモザイク壁画には無限の可能性がある。水のようにあらゆる可能性が複雑に絡み響き合い、豊かで持続可能な未来社会が創造されていくことを願う。
素 材:大理石、陶、ガラス
サイズ:H3m ×W2.8m(余白含む)
形 式:モザイク、陶芸
設置年:2022年
設置場所:4号館1F
略 歴:
1981年 岐阜県生まれ
2004年 東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業
2006年 東京藝術大学大学院美術研究科修士課程壁画専攻修了
2022年 東京藝術大学博士後期課程(文化財保存学専攻)修了
髙田 実季|Miki Takada
uni verse
私たちの平和とはなんだろうか。人間がコントロールできない自然現象やどうしようもない戦いを、宇宙を眺めるような目で見つめる。誰かの日常を想像し、自分の日常を顧みる。雨のあとの水たまりには空が映り、太陽は眩しく、月がひょいと現れ、道には灯りがつく。毎晩カラスが2羽、家の前の電線にとまっている。景色を見る目の、幅や奥ゆきを大きく持つこと。それは転がっている幸福を感じることと、遠くへの祈りに繋がる。
制作協力:名古屋工業大学ソーラーカー部
敷地サイズ:約5m×12m
サイズ:
光:H4,000mm × W500mm × D500mm
皿:H300mm × W2,500mm × D2,300mm
鳥:H2,800mm × W2,000mm × D60mm
素 材:鉄、真鍮、セメント、他
設置年:2022年
設置場所:4号館屋外
略 歴:
1995年 岐阜県生まれ
2017年 愛知県立芸術大学美術学部美術科彫刻専攻卒業
TEI YOUYOU
砂漠のガーデン
植物をテーマとしたシリーズ壁画である。 私自身、植物を観察することがとても好きで、植物を通して生きる力を感じている。
私の想像の世界では、植物は砂漠でも、氷河でも、火の中でも、どんな環境でも、制限なく生き生きと生育することができ、生命の象徴である。 この作品を通して、実社会の環境を超越した生命の力と美しさを表現している。
制作協力:名古屋工業大学美術部
素 材:水性ウレタン塗料
サイズ:H5m × W1.5m 柱10本
形 式:壁画
設置年:2022年
設置場所:23号館壁面
略 歴:
1996年 中国生まれ
2018年 内モンゴル工業大学 服装と服飾デザイン学部卒業
2022年 愛知県立芸術大学研究生
楢井 真琴|Makoto Narai
笑ってほしい
本作品は規定の時間になると尻尾を振る犬型の装置だ。私は餌も散歩も必要としない究極の愛玩動物として制作した。
現在コロナ禍のため触る事が出来ないが、通常時では鑑賞者の方も撫でられる体感型の作品となっている。
制作協力:名古屋工業大学ソーラーカー部
素 材:木材(角材・木屑)、水溶性ボンド、しゅろ縄、フェイクファー、鉄、金属ギヤードモーター、他
サイズ:犬型の作品15体
形 式:インスタレーション
設置年:2022年
設置場所:NITホール2F
略 歴:
1999年 三重県生まれ
2017年 三重県立飯野高等学校応用デザイン科卒業
2021年 愛知県立芸術大学美術学部美術科油画専攻卒業
さとう くみ子|Kumiko Sato
私にとって作品とは自分自身を楽しませるモノでありたいと考えている。
この作品は、私が大好きな「耳掘り」をテーマにした。
作品は収納する事が可能である。収納することにより、作品を好きな場所へ移動させ、新たな場所で再び展開させ楽しむ事ができる。
クジラの耳カス発掘
素 材:ミクストメディア
サイズ:H1,415㎜ × W560㎜ × D360㎜
形 式:インスタレーション
設置年:2022年
設置場所:NITホール1F
クジラの耳カス発掘_drawing
素 材:A3方眼紙、鉛筆、ペン
サイズ:297㎜ × 420㎜
形 式:ドローイング
設置年:2022年
設置場所:NITホール1F
耳掘り練習キット
素 材:ミクストメディア
サイズ:H650㎜ × W750㎜ × D360㎜
形 式:インスタレーション
設置年:2022年
設置場所:NITホール1F
TODAY’s EARPICK
素 材:ミクストメディア
サイズ:H1,670㎜ × W500㎜ × D500㎜
形 式:インスタレーション
設置年:2022年
設置場所:NITホール1F
略 歴:
1990年 岐阜県生まれ
2018年 愛知県立芸術大学美術学部美術科油画専攻卒業
2020年 愛知県立芸術大学 大学院美術研究科博士前期課程油画・版画領域修了
光村 明莉|Akari Mitsumura
MEET A NEW SELF
作品はラウンド状の壁に設置されており、一周するとまた初めに見た場所に戻れる仕掛けとなっている。また、大きな鏡がモチーフとして登場し、これは、対になる位置のモチーフが少しだけ違った形になり映り込んでいる。
私たちが自分を知るためには、いつだって関わり合ってきた沢山のものを参照することが大切である。本来の記憶と形が変わったりもする。延々と続いている私のラウンド状の記憶の中で、時折過去を振り返って、新しい自分と出会おうとしている。
素 材:インクジェットプリント粘着シート、塗料
サイズ:H50cm × W1,100cm
形 式:絵画
設置年:2022年
設置場所:図書館1F
略 歴:
1998年 岐阜県生まれ
2022年 愛知県立芸術大学美術学部美術科油画専攻卒業
矢島 与萌|Tomoe Yajima
シグナル [壺の絵シリーズ]
やきものは、この先1万年程変質しない物質である。作る事(瞬間を留める行為)と作られた物(それを反映する現象)は、人の思考を伝える手段・媒体でもある。鑑賞により誰かから誰かへ伝わるメッセージであると考え「シグナル」=信号と名付けた。
釉薬や粘土で絵を描くように表現し、やきものの象徴とも言える「壺」の静物画でもある。
各1点物だが、同じ素材・形態・制作工程を用い共通性のある複数点組での形式とした。階段の上り下り動作が鑑賞行為にもなる。
素 材:陶
サイズ:6点1組
1点あたり:H450mm × W450mm × D30mm
1点あたり重量:3〜4kg
形 式:壁掛陶板
設置年:2022年
設置場所:1号館1F
略 歴:
1986年 長野県生まれ
2011年 愛知県立芸術大学 大学院美術研究科博士前期課程油画・版画領域修了
2019年 岐阜県立多治見工業高等学校専攻科(陶磁科学芸術科) 修了
園田 加奈|Kana Sonoda
国内で撮るべきテーマを模索していた2016年冬、凍てつく早暁の薄青い光を浴びながら、妖艶に息づく腐葉土に出逢った。霜を纏った大地一面に、掘り出され間引きされた形の悪い野菜や花たちが所狭しと横たわっている。不要になり放置された「生きていたモノ」が鮮やかに土中に朽ちゆき、新たな生命を生み出していく逞しい輪廻。以来、「still lives」と名付けたシリーズを、定点観測的に撮り続けている。
Prologue
素 材:Pigment Print, 耐光透明メディウム,木製パネル
サイズ:H950mm × W1,425mm × D38mm
形 式:写真
設置年:2022年
設置場所:52号館1F
Untitled#1
素 材:Pigment Print, 耐光透明メディウム,木製パネル
サイズ:H950mm × W633mm× D34mm
形 式:写真
設置年:2022年
設置場所:52号館1F
略 歴:
名古屋市生まれ。
大学で心理学を学び、独学で写真を撮り始め単身渡英。
98年よりロンドン、NY、バリ、フィリピン、タイなどを拠点に、現地の人々と共に暮らし、生活に溶け込み撮影。
国内外での個展、グループ展、各分野アーティストとのコラボレーションで作品発表を続ける。
遠藤 麻衣|Mai Endo
《蛇に似る:私》
作者は、家畜として食べる対象であり、また彼女自身にとっては同居するペットでもあるうずら、神話や伝承で人間の女として描かれてきた蛇といった、人間と密接で複雑な関係を築く生き物に関心を寄せている。同時にその関係性が、フィクショナルな物語として描かれたときに、現実を変容させる力を持つことにも関心を持ち、民話や伝説といった史料や、ティーン向けの漫画を元に、アーティスティックなリサーチを続けている。本作は、そのリサーチのなかで制作されたセルフヌードポートレートであり、現実の身体と描かれた物語とを接続する試みや、非対称な関係性に対する作者の関心が現れている。
素 材:ラムダプリント
サイズ:H1,200㎜ × W1,200㎜
形 式:写真
設置年:2022年
設置場所:ーーーー
略 歴:
1984年 兵庫県生まれ
2011年 東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業
2013年 東京藝術大学美術研究科絵画専攻壁画第一研究室修了
2018年 ウィーン美術アカデミー交換留学(石橋財団国際交流油画奨学プログラム)
2021年 東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程美術専攻壁画研究領域修了
2022年 文化庁新進芸術家海外研修制度(ニューヨーク)
中根 惇|Jun Nakane
エミュレータのバグ
作品には「エミュレータのバグ」というタイトルがつけられている。エミュレータとはコンピューターなどの機械装置の動作・機能を模倣したソフトウェアであり、この作品空間は名古屋工業大学の景色を模倣したエミュレータに見立てている。しかしただ模倣したわけではなく形や状況を作り変えてある。このように役割が明確でありふれた三角コーンなどのモチーフを使い、かつそれが存在する大学構内に新たな姿で存在することに意味があると考える。
素 材:使い古された三角コーン、コーンバー
サイズ:可変
形 式:インスタレーション
設置年:2022年
設置場所:1号館1F
略 歴:
1999年 静岡県生まれ
2022年 愛知県立芸術大学美術学部美術科油画専攻卒業
下村 栞由|Shimomura Kanyu
見届ける|2021年度名古屋工業大学賞受賞
作品は、パソコンの画面を拡大し、その写真を銅版画にしている。画像を拡大すると画面上の色を表している(R:赤 G:緑 B:青)の光を見ることができる。RGBは、パソコンの色の表現方法で、一つ一つの光の強さを変えて組み合わせることで写真などをイメージ通りに表現している。その限りなく正確に再現された色と形を意図的ではなく、自然な変化を取り込みやすい銅版画にすることでより自分の意思から離れた作品を目指した。
素 材:エッチング、紙
サイズ:H745㎜ × W1,100㎜ × D45mm (3点1組)
形 式:フォトエッチング(3版3色)
設置年:2022年
設置場所:大学会館2F
略 歴:
1996年 長崎県生まれ
2020年 愛知県立芸術大学美術学部美術科油画専攻卒業
2022年 愛知県立芸術大学 大学院美術研究科博士前期課程油画・版画領域修了
柳本 鈴菜|Suzuna Yanagimoto
兎仏|2021年度名古屋工業大学賞受賞
わたしとうさぎ、うさぎと仏像、仏像とわたし。
わたしの心拠り所となるように制作したこの作品は、他者の目にどう映りどのような存在になるのだろう。
素 材:石粉粘土、スタイロフォーム
サイズ:H1,130㎜ × W210㎜ × D280㎜
形 式:彫刻
設置年:2022年
設置場所:1号館
略 歴:
1999年 愛知県生まれ
2022年 愛知県立芸術大学美術学部美術科彫刻専攻卒業
三浦 紗和子|Sawako Miura
Hallelujah
壁画はその土地に根付いていて、わかりやすく、美しいものであると思っている。この建物とその周りを歩いた時、ザワザワと木の葉が揺れ、近くで人の声が聞こえた。ここで聞こえるノイズは聞き慣れた音楽のように心地良く、どのような人にも状況にも合わせられる音だった。イメージは、古いイタリアの壁画と聞こえた音から考えていった。5つの壁は色と形で繋がって周囲と響き合い強くなる。
素 材:水性ウレタン塗料
サイズ:ーーー
形 式:壁画
設置年:2022年
設置場所:52号館壁面
略 歴:
1996年 愛知県生まれ
2021年 愛知県立芸術大学大学院美術研究科博士前期課程油画・版画領域修了
野木 海生|Mio Nogi
「ゆれる僕は」「ゆれる君は」「いつかの僕」
銅版画技法を使って、身体の乳首とへその3点を人の顔のイメージと重ねて制作した。
それぞれの作品は実在する人の身体と顔をイメージしており、胴体の一部に見えたり、顔に見えてきたり、その間を行き来するような図像である。
素 材:和紙、油性インク
サイズ:2点すべてH610㎜ × W600㎜
形 式:版画
設置年:2022年
設置場所:52号館1F
略 歴:
1998年 福島県に生まれる。
2022年 愛知県立芸術大学美術学部美術学部油画専攻卒業
緒方 ふみ|Fumi Ogata
Lines
私にとって絵は、時間を抱える物体であり、制作におけるあらゆる動作はとある1日の場面などに置き換えられる。例えば起床後の布団の抜け殻のようにパネルや紙などの支持体に穴をあけることから始まり、そのイメージを畳む、広げる、切る、重ねる、乾かす、揃える・・といったように、生活者としての自分の美意識と同じ感覚をもちながら、色や形のイメージを組み立てている。
素 材:パネル、アクリル絵の具、フック、ピン、
革、布、クレヨン、鉛筆、木片、クリップ
サイズ:H650mm × W1,030mm ×D50 mm
形 式:絵画
設置年:2022年
設置場所:1号館1F
Kの帽子, ツリー, ただの人, Where I Stand, 表紙の人, 散歩
素 材:紙、色鉛筆
サイズ:6点すべてH254mm × W230mm
形 式:絵画
設置年:2022年
設置場所:1号館1F
略 歴:
1990年 熊本県生まれ
2015年 愛知県立芸術大学美術学部美術学科油画専攻卒業
2017年 愛知県立芸術大学大学院美術研究科博士前期課程美術専攻油画版画領域修了
田中 奈緒子|Naoko Tanaka
未来の投影
日本で生まれ育つほとんどの人間は、この「JIS規格」の学校机とともに学童期を過ごす。地面に沈み込む様に設置された机は、鑑賞者に過ぎ去った子ども時代へのノスタルジックな回想を喚起するかもしれない。その一方でそれは、意識されないままに人々の中に刷り込まれていく「国家の規格」—その重力と、それに拮抗する力を象徴している。
素 材:JIS規格学校机、木材、塗料
サイズ:H700㎜ × W750㎜× D800㎜
形 式:彫刻
設置年:2023年
設置場所:53号館1F
略 歴:
1975年東京生まれ。1999年よりドイツ在住。
造形美術と舞台芸術それぞれの垣根を超えながらヨーロッパを中心に活動。パフォーマンス・インスタレーションという独自の表現形態で、数々の国際的舞台芸術フェスティバルにて公演している。
www.naokotanaka.de
宮寺 雷太|Raita Miyadera
ラウンジの印象から話をしてみると、素材の多面性に満ちている。
黒い壁紙、ホリゾンタルな窓ガラス、柱を隠す鏡、巨大なホワイトボード、そして天井のアルミパンチングメタル。
それらは全て平滑に均整を保ち、加えて垂直もしくは水平に設置されている。
中でも、アルミパンチングメタルは既に意匠性が与えられ堅牢に頭上を覆い、その存在を隠さない。
ラウンジ空間は、堅牢かつ重厚な印象を与えるべく素材同士の団結を見ることができる。
この完結した空間の素材性と構造にフォーカスし2点の制作(悪戯)を試みた。
DOTS FOR LOUNGE
こんな物語を夢想することから。
『今、巷で騒がせている素性不明のアーティスト「B」は、誰もいない深夜のラウンジに忍び込み、天井からアルミパンチングメタルの一部を取り外した。外したプレートを支持体に乗せると、「B」は一気に黒いスプレーを吹き付けた。プレートのパンチング穴が瞬く間に黒い無数のドットに変換されイメージとして現れた。ものの数秒で作品は完成した。
ご丁寧に作品を壁面に設置すると、外したプレートを元に戻した「B」は、作品だけを残してラウンジを後にした。ラウンジは何事もなかったかのように深夜の静寂を取り戻した。』
既に工業的重厚感のある素材の多面性を持ち合わせた空間に、新たに異素材を加える試みである。
手漉き和紙の原料は自然由来である植物の繊維であることから視覚的に落ち着きのある柔らかい印象を与える。と、同時に手漉き(手仕事)であることから生まれた斑や歪みは空間に新たなテクスチャーを加える。
(結果的に、表面に現れた細かい皺も修正可能ではあるが、空間との関係を考慮して意図的に残した。)
ドットのイメージは空間の持つ意匠をトレースすることで、空間との親和性を図るためのものである。
既に完結した空間にただ異物を加えることではなく、イメージとして調和を取りながら、素材として感覚的な差異を生み出すことを目的とした。
素 材:手漉き和紙、スプレー
サイズ:H1,000mm × W1,000mm
形 式:ステンシル
設置年:2023年
設置場所:1号館
LIGHTNING
ラウンジという一室が建築物の一断片である以上、その空間は直線と直角で構成される。そして直線は、垂直と水平が維持されることで構造が成立する。そこに様々な素材が加えられた事により、垂直と水平は構造以上に強調された印象を与える。
そんな空間に、斜線を一本だけ加える試みである。
空間内に、ただ唯一の中途半端な角度を作ること。
稲妻(LIGHTNING)に擬態した斜線は鑑賞者の内面へ突き刺さり、そのまま刺さり続ける事になる。
素 材:手漉き和紙、スプレー
サイズ:H650 mm × W530mm
形 式:ステンシル
設置年:2023年
設置場所:1号館
略 歴:
1971 東京生まれ
1997 東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻(版画)卒業
1999 東京藝術大学大学院美術研究科修士課程絵画専攻版画研究室修了
山口 はるか|Haruka Yamaguchi
人々
本作品は駅をモチーフとした作品である。駅を行き交う人々を鉄パイプで表現した。鉄は無機質で触ると冷たく人とはかけ離れた物質のように思えるが、人の中にも鉄分という形で同じものが含まれ、全く違うものとは言えない。
制作協力:名古屋工業大学ソーラーカー部
素 材:鉄、スピーカー、センサーなど
サイズ:H2m × W4m × D2m(設置空間サイズ)
形 式:彫刻
設置年:2023年
設置場所:52号館1F
略 歴:
2001年 熊本県生まれ
2020年 熊本県立第二高等学校美術科卒業
2024年 愛知県立芸術大学美術学部美術科油画専攻卒業
早川 文彩|Aya Hayakawa
passage Ⅰ、passageⅡ、passageⅢ
凹凸の手触り、形を目で追った時の視覚的な引っかかりを切っ掛けに、ぼんやりと平面的な風景として私の中に積もり混ざっていく。ふと意識の表層に浮上するそれらの一部を形(作品)にして、またその形も私の中に風景として積もっていくのだ。
今回は作品が設置される名古屋工業大学敷地内を歩き回り、私の中の風景に落とし込んだ後に制作を進めた。
素 材:油絵具、アクリル絵具、はんだ、麻布、パネル
サイズ:3点すべてH652mm × W652mm × D25 mm
形 式:絵画
設置年:2023年
設置場所:NITホール1F
reflection - Hall
素 材:油絵具、アクリル絵具、はんだ、麻布、パネル
サイズ:H530mm × W1,360mm ×D33mm
形 式:絵画
設置年:2023年
設置場所:NITホール1F
略 歴:
1993年 岐阜県生まれ
2016年 愛知県立芸術大学美術学部美術科油画専攻卒業
土屋 全徹|Msamichi Tsuchiya
Futatsu
2つの対となるものをテーマに制作した。色、モノ、時代。異なるものが向き合い、混ざり、調和される。
人は常に何かと直面している。この作品を通して、直面するヒト、モノ、コトと関係を持ち、足掻き、調和していく様を表現しようとした。
素 材:水性ウレタン塗料
サイズ:H3.5m × W7m
形 式:壁画
設置年:2023年
設置場所:体育館壁面
略 歴:
1997年 静岡県生まれ
2020年 愛知県立芸術大学美術学部美術科油画専攻卒業
2023年 愛知県立芸術大学大学院美術研究科博士前期課程油画・版画領域修了
曹 テイテイ|Teitei Sou
心の琴線|2022年度名古屋工業大学賞受賞
現代社会は効率的で便利な機能性を強調すると同時に、人と人のコミュニケーションの可能性が希薄になっている。
人々は交流を通じて、身体の境界は絶えず変化していることを水・光・影・霧・女性をモチーフとして絵画で表現した。
素 材:麻紙、岩絵具、水干絵具
サイズ:H1,303mm × W3,240mm
形 式:日本画
設置年:2023年
設置場所:53号館1F
略 歴:
1997年 中国生まれ
2023年 愛知県立芸術大学大学院美術研究科博士期課程日本画領域修了
尾崎 遥|Haruka Ozaki
転生|2022年度名古屋工業大学賞受賞
今作では、自分自身の中で折り合いのつかない感情と蕾が花開するイメージと結びつけた。生まれ変わり、力強く成長し、穏やかに過ごせますようにという願いを作品を通して表現した。
私は、日々移り変わってゆく大切なものたちを溢さないようにし、それらを作品に込めて制作をする。
素 材:大理石
サイズ:H1,300mm × W800mm × D380mm
形 式:石彫
設置年:2023年
設置場所:1号館エントランス
略 歴:
2000年 三重県生まれ
2023年 愛知県立芸術大学美術学部彫刻専攻卒業
中条 友也 |Yuya Chujyo
街や施設を歩き回り落ちているゴミを拾う事で世界の営みと情報の採取を行い、採取した場所や環境と採取物に残る傷や汚れの痕跡を観察する事で過去や現在を再発見し、その観察と記憶を基に捨てられた物事を再提示する作品を目指し他者、制作者、鑑賞者のリアリティ(現在)の複製や思い出(過去)の復元を行う。今作ではこのコンセプトを元に名古屋工業大学校内に落ちていた廃棄物を採取し制作を行なった記憶のオブジェクト作品。
素 材:廃材、資材、蝋燭、エポキシ樹脂、顔料、油彩、アクリル
サイズ:W222mm × D176mm, W240mm × D180mm 2作品, W240mm × D180mm 2作品, W450mm × D180mm, W450mm × D180mm
形 式:壁掛け作品
設置年:2023年
設置場所:4号館2F
略 歴:
1997年 愛知県生まれ
2024年 愛知県立芸術大学美術学部油画専攻卒業
手塚 好江|Yoshie Tezuka
膠絵具の描画層を一度下地層で覆い隠し、その上から油絵具を重ねることで、下地層を透化させ膠絵具の描画層を再度浮かび上がらせるという手法で ダブルイメージを行き来する作品制作を行う。こうした絵画構造を意図的に作り出すことで、身近な出来事や社会的な出来事に感じる複雑な二重性を整理し、構造の中で見えなくなってしまうものを再度可視化させようと試みている。
部屋の中のダイイン
素 材:麻布、膠絵具、油彩
サイズ:H1,620 × W1,620mm
形 式:絵画
設置年:2024年
設置場所:1号館1階エントランス
透明マント
素 材:麻布、膠絵具、油彩
サイズ:H910mm × W727mm
形 式:磁器タイル
設置年:2024年
設置場所:4号館会議
略 歴:
静岡県生まれ
2019年 愛知県立芸術大学美術研究科博士前期課程油画・版画領域修了
古畑 大気|Taiki Furuhata
three musketeers(east side of the river)
時:2023年9月
場所:東京都江東区
場合:私用(展覧会を観に)
東京はあまり訪れないので駅を降りて美術館に向かうまでの道のりを少し遠回りして歩いた。学生の頃は近所のギャラリーとセットでよく来た美術館だがギャラリーも移転してしまい、リニューアル後も来る機会もめっきり減ってしまった。
所々道は狭く入り組んでいるが整理された碁盤の目で人もちゃんと住んでいるしお店も多い。たまにある大きい塀はお寺だ。
緑青の屋根と白い壁。ホックニーを観てカタログとTシャツを買って、帰りはゲリラ豪雨で靴が水浸し、東京駅も人だかりで新幹線に急いで乗り込んだら「こだま」だった。
素 材:キャンバスに油彩
形 式:絵画
サイズ:H727mm × W910mm
設置年:2024年
設置場所:1号館1階廊下
略 歴:
1987年 長野県生まれ
2014年 愛知県立芸術大学美術研究科博士前期課程油画・版画領域修了
2017年〜 Art Space&Cafe Barrackを主宰
菅 隆紀|Takanori Suga
Blank sign
大型インスタレーションとして、学生とのワークショップで学生が制作したドローイングを拡大し、2号館入り口に設置した。
素 材:コットンペーパー、顔料インク
形 式:絵画
サイズ:H880mm × W613mm
設置年:2023年
設置場所:図書館
Hogan
アメリカ・ナバホの地上絵とリンクさせ、名工大図書館棟屋上に制作されたペインティング作品の空撮写真。
素 材:コットンペーパー、顔料インク
形 式:絵画
サイズ: H880mm × W613mm
設置年:2023年
設置場所:図書館
略 歴:
1985 長崎県生まれ
2009 愛知県立芸術大学美術学部美術科油画専攻卒業
荒井 理行|Masayuki Arai
like paintings #30
素 材:アクリル絵具、麻布、パネル
サイズ:H910mm × W1,167mm × D33 mm
形 式:絵画
設置年:2024年
設置場所:4号館2階会議室3東側壁面
略 歴:
1984年 アメリカ生まれ
2009年 愛知県立芸術大学美術学部美術学部油画専攻卒業
2011年 愛知県立芸術大学美術研究科美術専攻油画・版画領域修了
一之瀬 瑠璃|Ruri Ichinose
TSUCHI
TSUCHIは金属を叩くことでできる「鎚目」の模様から着想を得たタイルである。
実際に自ら叩き出した鎚目の形状を元に、組み合わせ可能な形状に再構成することでパターン化を実現させた。
また、構成を変えることで様々な表情を創り出すことが可能であり、室内空間における装飾タイルや建材としての使用を想定している。
素 材:白磁
サイズ:W1200mm × H900mm × D15mm
形 式:磁器タイル
設置年:2024年
設置場所:ーーーー
略 歴:
2001年 東京生まれ
2019年 東京都立工芸高等学校アートクラフト科卒業
2024年 愛知県立芸術大学美術学部デザイン・工芸科陶磁専攻卒業
小林 明日香|Asuka Kobayashi
光
初めてこの景色を目にした瞬間の感動や、ずっとその場所にとどまっていたくなるような安心感が、画面上の色や形、岩絵具が生み出す表情を通して、ずっと見ていたくなるような絵となって、この作品を鑑賞する誰かの心を動かすことを願って制作した。
素 材:高知麻紙、水干絵具、岩絵具、胡粉
形 式:日本画
サイズ:H1,620mm × W2,567mm
設置年:2024年
設置場所:ーーーー
略 歴:
2000年 栃木県生まれ
2024年 愛知県立芸術大学美術学部美術科日本画専攻卒業
文谷 有佳里|Yukari Fumiya
何もない風景を眺める
2024年9月9-11日に滞在制作しました。即興でガラス戸に直接ペンで描いています。とてもあつい3日間の作業を終えた後、自動ドアに西日が差し廊下に線描の影が映りました。帰ろうかと見上げた時、太陽の光がまぶしくて線が見えない程でした。名工大の方々が忙しい学校生活の合間にふと歩みを緩め視線を外に向けるようなささやかな存在になれますように。
素 材:水性顔料インクペン
サイズ:約W,4000 × H2,700mm
形 式:壁画
設置年:2024年
設置場所:52号館と53号館中庭出入口
略 歴:
1985年 岡山県生まれ
2008年 愛知県立芸術大学音楽学部作曲専攻卒業
2010年 東京藝術大学大学院先端芸術表現専攻修了
ジャン・ピゴッツィ・コレクション、東京都現代美術館、愛知県美術館、埼玉県立近代美術館、名古屋市美術館などに作品が収蔵されている。