共創プログラム
研究題目|美術分野
ARTFUL CAMPUS 名古屋工業大学+愛知県立芸術大学
研究概要:
本研究は、音楽体験を「聴く」から「見て、触れる」へと拡張する試みです。
この取り組みは、音楽が生で演奏される場において、観客を前にしたパフォーマーが表現しているものを《カタチ》にしてみたい――そんな欲求から始まりました。芸術表現において、音楽は美術とは異なり、演奏という行為を通じて多様な表現を生み出します。目に見えず触れることもできない、しかし確かにそこに存在し、私たちが感じ取っている抽象的な“何か”…それを、目に見え触れることができるような《カタチ》にしたらどうなるのでしょうか?
私たち人間には、五感というハイスペックなセンサーが備わっています。普段、ほとんど無意識のうちに私たちはこのセンサーを駆使し、周囲の情報を瞬時に取得して脳に伝え、行動や感情に反映させています。生まれたときから途切れることなく働き続けるこのセンサーによって、さまざまな体験が経験として私たちの中に蓄積されます。その経験は人それぞれ固有の価値観を生み、次に触れるものの感じ方に影響を与えます。これは、音楽の聴取にも同様に作用し、楽曲の感じ方や捉え方は人それぞれ違い、固有の価値観を携えた状態で人は音楽を聴き、さまざまな感情を抱きます。
一方で、音楽を聴取する環境において、一人でイヤフォンで録音を聴くのと大きなホールで生の音を聴くのとでは、その感じ方に違いがあることに多くの人が気づいているでしょう。これは、同じ空間で体験を共有する人と人の間に、同調や共感が生まれるためではないかと考えられます。この影響は多かれ少なかれ、観客だけでなくパフォーマーにも及びます。つまり、生演奏による音楽がその場に与えるさまざまな要素は、その空間を共有する全ての人々に影響を与えながら、また人々の空気感に影響されながら、変化し続けていると考えます。観客が音楽を聴くことによって生まれる感情は、パフォーマーに伝わり演奏に変化を与え、新たなニュアンスとなって音に付加され、会場に現れることでしょう。
今回は、マエストロ矢澤定明氏率いる愛知県立芸術大学ウインドオーケストラが、この日、この時間、この会場に醸し出す多様な情報を取得し、楽曲ごとに紡ぎ合わせて立体造形として出力、可視化することにチャレンジします。ここから生まれるMOOD(気分)は、どんな《カタチ》になるのでしょうか?
無形から有形へ転換するこの試みによって、新たな表現の可能性を探ります。
研究体制:
企画・プランニング:森 真弓/愛知県立芸術大学教授
光・音・映像を用いたインスタレーション作品をはじめ、インターフェースデザイン、コミュニケーションデザイン、イベントプランニングなど領域を横断した多様な表現活動に取り組んでいる。また、(公財)日本スポーツ協会公認スポーツ指導者として、カーリングの発展・普及にも貢献している。
センシング・情報取得設計:酒向 慎司/名古屋工業大学准教授
音楽と情報技術の融合に関する研究として音楽情報処理、演奏表現の統計的モデル化、自動伴奏生成、音声・手話認識など幅広い分野において活躍している。日本情報処理学会山下記念研究賞や電子情報通信学会ヒューマンコミュニケーション賞を受賞し、国内外で幅広く活動している。
3D化プログラム・プロダクト設計:小池 達也
小池屋制作室/愛知県立芸術大学教育研究指導員/名古屋造形大学非常勤教員
メディアやデザインに関する知識を活かし、デジタルファブリケーションをはじめとする多様なデジタルツール活用法の指導に従事。個人活動では3Dコンテンツ制作ツール「Houdini」を軸とし、様々なツールを組み合わせた表現の活用方法を日々探っている。
研究題目|音楽分野
ARTFUL CAMPUS 名古屋工業大学+愛知県立芸術大学
公開レコーディング “音楽の風 I“
J. S. バッハ:平均律クラヴィーア曲集 第2巻より 嬰ヘ短調 BWV883J. S. Bach: Das Wohltemperierte Klavier Teil II, Praeludium & Fuge fis-moll, BWV883
ソリストとして、また室内楽や声楽、合唱ピアニストとしても支持を集め、近・現代の作品、室内楽作品に数多く取り組み幅広い演奏活動を行っている。1993年よりピアノ三重奏団「トリオ・ミンストレル」ピアニストとして、東京、名古屋、大阪、福岡等、全国の主要都市・地方都市で木野雅之vn、小川剛一郎vcとともに演奏会を行っている。
1989年愛知県立芸術大学大学院音楽研究科修了後は同大学にて後進の指導にあたり、1993年より音楽学部専任講師、2001年より助教授→准教授、2011年より教授を務める(2025年3月定年退官)。
大阪大学、京都大学、神戸大学等でレクチャーコンサートに出演。他に全国各地でレッスン講師、オーディション審査員等を務める。
研究題目|音楽分野
ARTFUL CAMPUS 名古屋工業大学+愛知県立芸術大学
サウンドパフォーマンス特別公演ゾンビ音楽
研究題目|美術分野
ARTFUL CAMPUS 名古屋工業大学+愛知県立芸術大学
「陶芸素材が変化していく様子をデジタル技術活用して可視化する」
共創研究の様子
釉薬の貫入層
アートフルキャンパス F+LAB
名古屋工業大学と愛知県立芸術大学による共創研究
ーDigitalとPrimitiveが出会うー
鶴舞緑化センターでの成果展示風景
愛知県立芸術大学サテライトギャラリー SA・KURAでの成果展示風景